次回勉強会の担当者である「矢野由香里」さんより、
【現代人のための哲学(渡邊二郎著)】
最初の第1章のまとめをUPします。
勉強会資料として扱いますので参加者はご参照ください。
第1章 『現代とはどういう時代か』
現代に生きる我々は、何をどのように考え、どう生きるべきなのか、そのあり方を哲学的に考察する
哲学的に考えるとは「何か」
・物事の基本をよく考え直す営みである
・人生観世界観の根本知である
・いかに生きるべきかを考えることである
現代という時代について(文明の進化と近代化)
①科学技術の発達
②環境問題
③エネルギー問題④情報化・国際化の時代⇒民族紛争など細かく局所的な面での争いの絶えない時代
⑤価値意識の変化により、生活・暮らしの差が拡大 ⇒道徳の退廃(生き方の基準の崩壊)によりエゴイズムが蔓延
これら難問を突きつけられている現状がある
現代はニヒリズム(虚無主義)と多元主義が好まれている
「生産様式が人の手から機械へと移り変わり
あたかも便利になっていることの代償であるかのように
人が何のために働いているのか、
人生の意味がわからない状態に陥っている現代人の姿がある」
「人間性を回復し、ニヒリズムと多元主義を乗り越え克服する自覚を持って行き抜く指針となる『新しい哲学』が必要である」
問題解決のための2つの視点
- 個人と全体の間にある緊張関係(空間的側面)について考える
- 個々の時代の個別的テーマと人間一般の普遍的テーマ(時間的側面) について考える
定義:現代人とは「合理的近代精神の末裔」である
- 理性による合理性=〈啓蒙⇒文明開化〉 ―――→「科学的思考」による知の体系
- 近代化の精神 ―――→チャンピオン:「科学技術」
近代化精神である科学的思考による知の体系の光と影
光の部分
- 人権の確立とその尊重の精神
- 自由と平等
- グローバリズムと平和協調の精神
- 教育制度の確立による知識社会の実現
- 自然科学の王様である物理学的手法による自然研究
- 自由民主主義に基づく社会秩序のための制度設計
影の部分
- 人間の「奢り」と「過信」
- 「無目的」「無意味」「無価値」観の蔓延(ニヒリズム)
- 「無責任」(本能的欲求を追求する「自由」を主張)と相対主義
これら影の側面である科学至上主義から生まれた危険な精神的兆候と誤った負の病理現象と向き合わなければならない
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